療養型病院(慢性期病院)の特徴や療養型病院(慢性期病院)に転職するメリット・デメリットについてご紹介します。

患者さんとしっかり向き合って看護を行いたい方におすすめの職場
療養型病院(慢性期病院)は、患者さんとじっくり向き合って看護を行いたいとお考えの方や、患者さんの急変や死亡が少ない落ち着いた職場で仕事をしたいとお考えの方に人気があります。ここでは、療養型病院(慢性期病院)の看護師の具体的な仕事内容ややりがいについて、また年収やキャリアパスについてご紹介しています。
療養型病院(慢性期病院)の看護師の仕事内容
療養型病院は慢性期病院とも呼ばれており、その名前の通り、急性期の患者さんの治療を行う病院ではなく、急性期を過ぎて症状が安定した患者さんの治療を行う病院です。よって、看護師の仕事内容も患者さんの経過観察・感染予防対策・リハビリテーション・精神ケア・緩和ケアなどが主であり、医療行為や処置を行うことはあまりありません。
療養型病院(慢性期病院)の看護師の仕事の特徴とは?
療養型病院の看護師の仕事の主な特徴として、患者さんとのコミュニケーションに重きが置かれていることや、高齢の患者さんが多いことから介護職に近い業務を求められるケースが多いことが挙げられます。療養型病院の患者さんの多くは、数ヶ月?数年の入院や通院が必要であるため、患者さんと親密な人間関係を築き、症状の緩和・改善や社会復帰に向けた介助やサポートを行うことがとても大切です。
療養型病院(慢性期病院)に転職するメリット
療養型病院(慢性期病院)で働いている看護師の方から聞く療養型病院(慢性期病院)で働く代表的なメリットとしては、下記が挙げられます。
- 患者さんの急変や死亡のリスクが低い
- 患者さんとじっくりコミュニケーションすることができる
- 残業や夜勤が少ないため、安定して働くことができる
患者さんの急変や死亡のリスクが低い
療養型病院に受診・入院する患者さんは慢性期の患者さんであるため、急性期病院の患者さんと比較すると急変や死亡のリスクが低いという特徴があります。患者さんの急変や死亡は、看護師にとって心身の負荷が大きいものであるため、療養型病院ではよりストレスが少なく働くことができます。
患者さんとじっくりコミュニケーションすることができる
療養型病院の看護師の大切な仕事の1つが、患者さんと密にコミュニケーションを行うことで症状の経過観察を行ったり、精神ケアを行ったりすることです。看護師や患者さん同士がコミュニケーションしやすいように、療養型病院には談話室が設けられていたり病室が広めに設計されていたりします。
残業や夜勤が少ないため、安定して働くことができる
療養型病院に入院する患者さんの多くは計画入院であるため、症状が安定しており緊急入院の対応や急変対応が少ないという特徴があります。よって、イレギュラーな業務が発生することが少なく、残業を度々求められたり、夜勤のシフトに数多く入らなければならなかったりということがありません。残業や夜勤が無くても看護師の仕事はハードであるため、できる限り安定して働ける職場をお探しの方に療養型病院は人気があります。
療養型病院(慢性期病院)に転職するデメリット
一方で、療養型病院(慢性期病院)で働いている看護師の方から聞く療養型病院(慢性期病院)で働く代表的なデメリットとしては、下記が挙げられます。
- 医療行為や処置を行う機会が少ない
- 病床数あたりの看護師数が少ないため、激務になるケースも
医療行為や処置を行う機会が少ない
療養型病院は慢性期の患者さんの症状を緩和・改善することを目的としているため、一般病院のように日常的に医療行為や処置を行うことはありません。よって、採血・点滴・カテーテル・創傷部の処置・オペ介助といった看護師にとって重要なベーススキルが低下してしまい、一般病院への転職が不利になる可能性があります。療養型病院へ転職をお考えの方は、将来的なキャリアプランも検討した上で転職されることをお勧めします。
病床数あたりの看護師数が少ないため、激務になるケースも
療養型病院は一般病院と比較して、病床数(患者さん)あたりの看護師数が少ないため、看護師の負担が大きく場合によっては激務となることがあります。具体的には、一般病院の場合は「病床:看護師=3:1」の割合ですが、療養型病院の場合は「病床:看護師=4:1」の割合となっています。療養型病院は、患者さんの急変リスクが少なくオペもほとんど無いため、安定的に働きやすいという特徴がありますが、患者さんの介助などによって激務となることがあることに注意が必要です。
療養型病院(慢性期病院)の仕事はこんな方におすすめ
下記に当てはまる方は、療養型病院(慢性期病院)への転職がおすすめです。
急性期の患者さんの看護経験のある方
療養型病院の患者さんは、急性期を脱して慢性期に移行していますが、場合によっては急変が起こる可能性もあるため、急変の兆候を見逃さない観察力や、患者さんの疾患に関する知識、また急変が起こった際に迅速かつ的確に処置を行うことが看護師に求められます。よって、療養型病院では急性期病院で実務経験のある看護師を優先的に採用する傾向があり、安心して働くためにも急性期病院を経て療養型病院に転職することをお勧めします。
患者さんの経過観察をしながら自分で仕事を見付けられる方
療養型病院は、一般的な病院とは違って、看護師のルーティーン業務があまり決まっていないという特徴があります。よって、療養型病院で働く看護師には、患者さんのバイタルチェックなど経過観察を行いながら、患者さんの症状を緩和するための仕事を見付けることが求められます。看護師のキャリアが短い方であれば、OJTなど院内の教育体制が整っている職場を選ぶと良いでしょう。
療養型病院(慢性期病院)に転職する際の注意点
力仕事や体力を求められるシーンが多い
療養型病院の看護師の重要な仕事の1つとして、患者さんの移動・食事・排泄などの介助がありますが、療養型病院の患者さんは高齢の方や寝たきりの方も多いため、特に力仕事や体力が求められるシーンが多いという特徴があります。場合によっては、1日の業務の大半が介助になることもあるため、看護師としてのやりがいを感じることが難しく、退職・転職される方も居ます。
高齢の患者さんが多い病院だと、コミュニケーションに苦労することも
療養型病院では、様々な年代の患者さんが受診・入院していますが、高齢の患者さんが多数を占める病院もあります。1年以上入院される患者さんも多いため、高齢の患者さんと円滑な人間関係を構築することはとても重要ですが、会話に不自由のある方も多く、コミュニケーションに苦労することがあります。よって、療養型病院の看護師には、患者さんの体調や表情の変化を的確に観察する力も求められます。
療養型病院(慢性期病院)の看護師の求人の特徴・年収について
療養型病院(慢性期病院)の看護師の求人の特徴
療養型病院は一般病院と比較すると施設数が半数程度と少ないため、看護師の求人数も比例して少ないという特徴があります。(クリニックでは施設数が8分の1程度と更に少ない)また、日本の高齢化に伴って療養型病院のニーズは高まっているものの、施設数は減少傾向に推移しているという実態があります。よって、療養型病院へ転職をお考えの方は、転職活動期間に余裕を持って、自分の希望条件に合った病院をじっくりと探すことをお勧めします。
療養型病院(慢性期病院)の看護師の年収
療養型病院の看護師の仕事は、一般病院と比較すると残業や夜勤が少なく、よって残業手当や夜勤手当の金額が少ないため、療養型病院の看護師の年収は低めに設定されています。具体的には、平均年収400万円前後が相場となっており、看護師全体の平均年収である470万円と比較すると低めです。少しでも高い年収を得たいとお考えの方であれば、残業や夜勤の多い職場を探したり、面接時に具体的な手当の金額を確認したりすると良いでしょう。
療養型病院(慢性期病院)へ転職を成功させるポイント
療養型病院の求人数は決して豊富ではなく、魅力的な求人があれば応募が集中しすぐに定員に達することも珍しく無いため、転職のタイミングを逃さないためにも療養型病院の看護師の転職に強い下記の転職サイトに相談することをお勧めします。
転職サイトを賢く活用することで、普段の看護師の仕事が忙しい方であっても、自分の希望条件に合った求人を見逃さずに済むというメリットがあります。また、転職サイトでは、担当のコンサルタントから書類選考や面接のアドバイスを受けることや労働条件の交渉をしてもらえるなど、転職に関する徹底したサポートを無料で受けることができるので、ぜひ活用してみてください。