人工透析科・透析室の特徴や人工透析科・透析室に転職するメリット・デメリットについてご紹介します。

透析看護師としてキャリアアップをしたい方におすすめ
人工透析科・透析室の仕事は、透析看護師としてのキャリアアップを目指す方や、安定した働き方を実現したい方に人気の高い仕事です。
ここでは、透析看護師の仕事内容やメリット・デメリットについて、職場環境や年収について詳しく紹介していますので、転職活動のヒントとして参考にしてみてください。
透析看護師の仕事内容
人工透析科は、糖尿病性腎症・慢性糸球体腎炎・尿路結核・骨髄症など、腎臓の正常な機能を低下させる疾患(所謂、腎不全)の治療を行う診療科です。透析看護師の主な仕事内容は、患者さんのバイタルチェックや医師の介助に加えて、人工透析専用の機器を使った検査業務が挙げられます。
人工透析科・透析室の仕事の特徴とは?
人工透析科・透析室の仕事の大きな特徴は、週3回継続的に人工透析を受ける患者さんの看護を行うことです。
人工透析科の治療には基本的に終わりがないため、10年以上の長期間、人工透析を受け続けている患者さんも決して珍しくありません。よって、透析看護師には患者さんと長期的に良好な人間関係を構築し、患者さんのメンタルケアや食事の指導を丁寧に行うことが求められます。
人工透析科・透析室で働くメリット
人工透析科・透析室で働いている看護師の方から聞く人工透析科・透析室で働く代表的なメリットとしては、下記が挙げられます。
- 処置や医療機器の使い方を覚えてしまえば、簡単な業務であることが多い
- 残業・夜勤・休日出勤がほとんどない
- コミュニケーション能力を高めることができる
- アクセスの良い都市部や市街地で勤務できる
処置や医療機器の使い方を覚えてしまえば、簡単な業務であることが多い
透析看護師の主な業務内容は、患者さんのバイタルチェック・透析のために患者さんに針(シャント)を指すこと(穿刺)・人工透析の器械を操作することの3つです。具体的な検査業務は器械が行いますので、処置や器械の操作を覚えてしまえば、特に難しさを感じるシーンはありません。
ただし、長年透析を受ける患者さんは看護師を見極める目が肥えていることもあり、特に患者さんにストレスや痛みが大きい穿刺の技術をしっかりと磨かなければ、患者さんに敬遠されてしまうこともあるため注意が必要です。
残業・夜勤・休日出勤がほとんどない
一般的に、患者さんが透析を受ける日時は予め決まっているため、緊急対応や残業を求められることはほとんどありません。また、急性期の患者さんを除けば外来の患者さんがほとんどであるため、夜勤や休日出勤もありません。よって、安定的に業務を行い、業務後の時間や休日を大切にしたい方に、透析看護師の仕事はお勧めです。
ただし、最近では様々な患者さんのニーズに対応するために、夕方診療や土日診療を行っている病院もありますので、転職に際して具体的な勤務内容を確認しておくことが大切です。
コミュニケーション能力を高めることができる
透析看護師の主な仕事は、定期的に人工透析を受けに来院する患者さんの対応であるため、1人の患者さんと長く付き合いながら看護を行うことができます。また、定期的に受診しなければならないことにストレスを感じている患者さんも多いため、気持ち良く透析を受けてもらうための配慮やコミュニケーションが大切です。
アクセスの良い都市部や市街地で勤務できる
定期的に透析を受ける患者さんのニーズに対応するために、人工透析科の病院やクリニックは、アクセスの良い都市部や市街地に多く、出勤の時間や手間が少ないというメリットがあります。合わせて、残業が少ないという特徴もありますので、業務後に買い物や食事を楽しめるということもポイントです。
人工透析科・透析室で働くデメリット
一方、人工透析科・透析室で働いている看護師の方から聞く人工透析科・透析室で働く代表的なデメリットには、下記が挙げられます。
医療行為のスキルが低下するケースが多い
人工透析科や透析室では、採血や点滴を行うことはほとんどありませんので、看護師の基本的な医療行為のスキルが低下しやすいというデメリットがあります。また、外来勤務であればオペ対応や介助も基本的にありませんので、これらの技術を磨くシーンもありません。
人工透析科・透析室の仕事はこんな方にお勧め
下記に当てはまる方は、人工透析科・透析室への転職がおすすめです。
透析看護師としてのスキルを極めたい方
人工透析科は非常に専門性の高い診療科であるため、透析看護師としてスキルを極めたい方にお勧めの仕事です。
特に、人工透析に使用する機器の使い方や穿刺の技術を習得することは難しいため、透析看護師として働きながら自分で勉強や研究を進める姿勢が必要です。
人工透析科・透析室に転職する際の注意点
人工透析科・透析室に転職する際には、以下に注意しましょう。
- ルーティーン業務が多いため、やりがいを感じづらい方も
- 人間関係にトラブルが起こりやすいという一面も
- 人工透析科の疾患は急変が起こりやすい
ルーティーン業務が多いため、やりがいを感じづらい方も
透析看護師の業務は、決して専門性の低い仕事では無いものの、業務領域が狭くルーティーン業務になりがちです。よって、人工透析科に転職したばかりの時期はやりがいや楽しさを感じやすいものの、慣れてしまうと達成感を感じづらくなるという傾向があります。
患者さんとの良好な人間関係の構築や穿刺のスキルアップなど、自身でやりがいや仕事の面白さを見付けることが大切です。
人間関係にトラブルが起こりやすいという一面も
透析の処置は、透析の機器が置かれた閉鎖的な空間で長時間行うことが多いため、患者さん・医師・他の看護師と人間関係のトラブルが起きやすいという一面があります。透析を受ける患者さんも、長年の頻繁な透析治療にイライラを抱えているケースも多く、看護師や医師に怒りをぶつけるケースも珍しくありません。
また、中には看護師以上に透析に関する専門的な知識を持つ患者さんも居るため、治療方針や看護技術に対してクレームを受けてしまうこともあります。
人工透析科の疾患は急変が起こりやすい
人工透析は、本来であれば腎臓が48?72時間かけてゆっくりと行う血液の浄化を、まとめて短い時間で行う治療であるため、患者さんの腎臓などの器官に負担がかかりやすく、急変が起こりやすいという特徴があります。
また、透析を受ける患者さんは糖尿病などの合併症を抱えているケースも多いため、より急変の可能性が高いという一面もあります。
透析看護師の求人の特徴・年収について
透析看護師の求人の特徴
人工透析科を置く病院やクリニックは、他の診療科と比較すると少なめであるため、転職時期によっては職場の選択肢が制限されることがあります。
よって、透析看護師へ転職をお考えの方は、転職活動に時間的な余裕を持って、根気よく求人を探すことが大切です。
透析看護師の年収
透析看護師の年収は、一般的な看護師と比較すると高めに設定されていることが多いという特徴があります。具体的には、夜勤ありの病棟勤務の場合は年収480?550万円、日勤のみの外来勤務の場合は年収420?460万円が年収の相場です。
看護師全体の平均年収は470万円前後(夜勤あり・日勤のみどちらも含む)ですので、透析看護師はやや高めの年収を期待することができます。
透析看護師へ転職を成功させるポイント
透析看護師の専門資格を取得する
人工透析科は専門性の高い診療科であるため、透析看護師にも様々な専門資格が存在します。代表的な資格は、「透析看護認定看護師」「透析技術認定士」「透析療法指導看護師」「臨床工学技士」の4つであり、透析看護師としての専門性を証明する資格として、転職やキャリアアップに有利に働きます。
透析看護師として長年働いていると、他の診療科へ転職が難しくなる
透析看護師としてキャリアを重ねることで、人工透析の専門性を高めることができますが、一方で看護師としての基本的な医療行為のスキルは低下しやすいというデメリットがあります。よって、透析看護師として長年働いている方は、他の診療科へ転職が難しくなるという傾向があるため、注意が必要です。
人工透析科の転職に強い転職エージェントに相談する
初めて人工透析科へ転職をお考えの方や、より自分の条件にマッチする職場を効率的に探したいとお考えの方は、人工透析科の転職に強い下記の転職エージェントに相談することをお勧めします。
人工透析科は、他の診療科と比較すると求人数が少なめであるため、希望の求人を探すには転職期間を長く取る必要があります。その点、転職エージェントを利用していれば、希望に合う新着の求人情報が見つかり次第情報を提供してくれるので、残業や夜勤で忙しい看護師の方はぜひ活用してみください。
転職エージェントは相談も無料で、相談したからといって必ず転職する必要もありません。まだ転職しようかどうか迷っている方でも親身に相談に乗ってくれますので、ぜひ上手に活用してください。