数ある科の中でも、知識と技術が必要とされる集中治療室の分野。緊張を強いられることの多い職場ですが、とてもやりがいがあり、プライドを持って働ける職場です。

NICUで働く看護師
赤ちゃんは時期が来れば自然に産まれてくるもので、医師や助産師、看護師はその誕生のお手伝いをする。これが出産における一般的なイメージでしょう。
しかし、中には早産で未熟児、つまり2500g以下で産まれてくる赤ちゃんもいます。体重は問題なくても呼吸や循環などの面で不調があって治療を必要とする赤ちゃんや、先天性疾患をもつ赤ちゃんたちもいて、その赤ちゃんたちは新生児集中治療室(NICU)というところで治療を受けることになります。
NICU看護師は、そんな赤ちゃんの授乳、投薬、医療機器の操作といった治療・管理に加え、両親に対するメンタルケアを行います。
現代における未熟児・新生児事情
出生後に緊急の治療を必要とする赤ちゃんの数は増加傾向にあります。
もちろん、子宮や胎盤の病気などで赤ちゃんが成長できない場合もありますが、時代の流れで結婚や出産が高齢化する中、不妊治療を行い出産する人が増えたという背景もあります。不妊治療は多胎妊娠の確率を上げ、多胎は早産や低出生体重児が生まれるリスクを高めます。また高齢出産とは別に、若年層の妊娠などで未熟児が生まれる場合もあります。
医療技術の発達で高度な治療を受けられるようになり、治療を要する未熟児や低出生体重児の命を救えるようになったことが、NICUで治療を受ける赤ちゃんが増えた大きな要因となっているのです。
NICU看護師の現場について
NICUでは、小さい赤ちゃんで400g前後、週数22週で出産した赤ちゃんもいます。たくさんの点滴の投与やモニターでの管理が必要ですし、一つ一つが小さな赤ちゃんに影響を与えてしまうので、看護するときは非常に神経を使います。
出生から数日経過すると、栄養管理や清拭など清潔管理なども重要となり、さらにかかわりが深くなります。出産というのは、言ってみれば自然の出来事です。逆子や多胎児で帝王切開の予定があるなどの場合を除き、出産や緊急の帝王切開はいつ起こるか誰にも予測はできません。だからこそ、いつも緊張感を持ちつつ、いつ入院があってもいいように仕事の段取りを考えたり、準備を行ったりという姿勢が重要なのです。
NICUの看護師は交代制で勤務をしますが、状況を次の看護師へ正確に伝えて継続・統一した看護を行っていかなくてはならないため、看護師同士の連携も強くなります。また、医師や他部門との連携も非常に重要なので、NICUはチームワークが強い職場であるといえます。
NICU看護師は両親とのかかわりも大切
感染予防面から考慮して、面会時間にNICUへ入ることができるのは多くの病院で両親のみとなっています。特殊な病棟に入院したということから不安を持つご両親も多いですし、面会から足が遠のき、愛着形成不足に陥る可能性もあります。
赤ちゃんの栄養には、免疫成分も多く含まれているお母さんの初乳が大切です。また、赤ちゃんのために母乳もどんどん形成されますが、入院した赤ちゃんのお母さんは自分の手で絞って母乳を運搬しなくてはいけません。そのストレスから母乳の形成が少なくなり、中には出なくなってしまうお母さんもいます。
そのようなことから、赤ちゃんの看護だけでなく、その両親とのかかわりやケアも非常に重要となります。
厳しいNICUの看護教育
NICUに配属されたら、どのように看護師は一人前になっていくのでしょうか。
どこの科においても、プリセプター制度などで先輩看護師から直接指導を受けるのは同じです。大きな規模の病院ほど卒後教育や移動は徹底していますが、NICUでは特に厳しく、細かく行われます。看護技術も今まで学校で勉強してきた成人に対するものと大きく異なり、未熟児・新生児を対象とした看護技術を一から習得する必要があります。
私の病院では3年計画で卒後教育が予定されていました。段階ごとに技術チェックがあり、クリアしていかなければなりませんし、レポートの提出や事例研究も行わなければなりませんでした。人の命を預かる看護師として、一人前になるまでに学ばねばならないことはたくさんあります。そして病院側も看護師を育成するために時間も労力も必要とするのです。指導期間は、それだけ重要な仕事であることを実感する期間でもあります。
NICU看護師のキャリアアップ
責任ある重要な職場ですが、給与面や待遇面からみると他の科の一般看護師と同様の待遇です。そのため時として、不満のある看護師も出てきますね。
もしも、そのような待遇面から転職を考える場合はキャリアアップを目指す方法もあります。キャリアアップを望めば新生児集中ケアの認定看護師の道などが開かれている分野なので、やる気次第で資格取得が可能ですし、必ずとはいえませんが、認定資格を取得した後に職位が上がったり、昇給や手当てが付いたりといった待遇面の変化も期待できます。
NICUはどこの病院にもある訳ではありません。地域の拠点病院となるような大きな病院に存在します。そのためとても専門性の高い分野であり、これからも出産の高齢化などにも伴って必要で需要の多い分野だといえます。
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