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看護師の離職率は4年連続で減少している

まず2012年の看護職の離職率は、常勤看護師で10.9%・新卒看護師で7.5%(2012年 病院における看護職員需給状況調査)となっています。よく、「10人のうち1人は離職するのだから高い」と言われますが、厚生労働省の「新規学卒者の産業分類別卒後3年後の離職率の推移」の調査と比較すると、総じて20~30%を超える離職率推移の他の職種から特別高いわけではありません。

ではなぜ問題にされることが多いか考えると、国家資格保持者である看護師が離職したあとブランク看護師となってしまい、現場の慢性的な人手不足が続いているからです。看護師の資格試験は年に一回のみで、受験資格も最低3年以上の専門分野を修めていることが課されています。年間で見た資格保持者は合格人数以上増えることはありませんし、新卒でなければ経験重視で即戦力になれる看護師を現場は望みます。

そのぶん人員補充は制限されてしまいますが、高齢化社会が進んでいることや高度先進医療が普及していることを背景に、現場の看護師にかかる負担はますます大きくなっているのが問題の本質です。

参考記事:看護師が転職に失敗しないためにチェックすべきことって?

都市部の離職率はやや高い傾向

都道府県別で見てみると、東京(14.2%)、大阪(14.3%)をはじめ、神奈川・兵庫・千葉・京都など都市部は高い傾向になります。これは都市部のほうがストレスが高いというよりは、病院などが密集しておりより転職しやすいといったことなども影響していると考えられます。

都道府県別の看護師の離職率グラフ

都道府県別の看護師の離職率表

規模が大きい病院ほど、離職率は低下する傾向に

また、病床規模別では病床規模が大きくなるほど離職率は下がる傾向にあります。400床以上で、特定機能病院指定の看護師配置基準を持つところになりますが、患者さん1名に対する看護師数が多いので夜勤負担が軽く、また教育体制やフォローアップも手厚いので、安心して働く環境を用意しやすいのが特徴です。中小規模の病院や個人クリニックなどでは、大病院ほど新卒者を集めることが難しいぶん、女性看護師が長く働きやすいよう、出産や育児、介護に使える長期休暇制度に工夫したり、時短勤務を取り入れるなどしています。

夜勤負担が重い病院ほど、離職率は上昇する傾向に

また、勤務の状況別に見ていくと、夜勤負担が重い病院は離職率が高い傾向にあるということで、看護職員1人あたりの月の夜勤時間が72時間を超えている病院では、常勤看護師の離職率が12.9%と高い傾向にあります。

夜勤が多いと生活リズムが崩れてしまうことが多く、それにより日々の疲労感が強くなったり、子育ての障害となったりすることが離職・転職へとつながっています。日本看護協会でも夜勤負担の重い病院は離職率が高い傾向である調査結果を出していますが、看護職の主戦力はライフイベントの多彩な女性看護師という現状はすぐに変えられることではありませんので、夜勤負担を軽くするために有効な打開策が期待されています。

離職率が低い医療機関が行っていること

離職率が低いことは、看護師の定着率が高いとも言い換えられます。看護師が離職する大きな原因のひとつが夜勤負担の重さであることは述べましたが、他にも、出産後に育児をしながら働き続ける環境にないこともあります。こういったママさん看護師に対応するため、院内保育所を設ける病院も増えてきましたが、まだまだ数としては少数派に留まっています。ですが目が離せない保育が必要な時期は限定されているので、それまでの間は時短勤務を取り入れた日勤のみの雇用を認めるなど、それぞれで工夫をこらしています。

時短勤務は子どもが小学校に上がって間もない看護師にとっても助かる制度です。都市圏であれば24時間保育は高額にはなりますがベビーシッターなども利用できますが、小学校に入学してから1~2年間の低学年で、夜勤時の育児を頼める場所が無くなってしまう問題は看護師にも共通しています。こういった個別の事情に合わせて、夜勤免除制度を利用しやすい病院では離職率が低い傾向があります。

代わりの夜勤は誰がやっているのかということですが、夜勤専従看護師を積極的に雇用しているところもあります。ですが主戦力はブランク看護師の活用になっていて、特に、子育てがひと段落した30歳代後半から40歳代の女性看護師を厚い教育体制で迎えることで解決を図っています。日本看護協会の別の調査で、再就職を希望する看護師は40歳代以上で増加しているという結果があるので、マッチングしていますよね。

関連記事:転職前に転職先の内情を知ろう

新卒看護師の奪い合いになっている現状が残す課題

看護大学が増えていますが、年間の新卒看護師数はそれほど変化はありませんし、看護師育成機関の定員以上に国家試験合格者が増える見込みもありません。ですが大学病院や特定・指定医療機関といった認定を受ける病院では、患者数に対する看護職員数が基準以上でなければいけません。診療報酬に関わることでもあるので、どの病院の人事担当も毎年春から新卒看護師獲得のため、全国各地の看護大学・専門学校を回ることになります。

一方、中小の医療機関では教育体制の充実を図ることが難しい状況で、新卒採用は大病院に持っていかれてしまい、ベテラン頼みの悪循環に陥ってしまうことが少なくありません。女性は身体的にも更年期障害を迎える時期を避けることが難しいものですし、体力的にも40歳代を超えたあたりから夜勤負担はどんどん辛くなってきます。ブランク看護師を活用すればいいという問題だけでは解決できない部分は、若い独身看護師に頼らざるを得ません。ですが看護師の高学歴化に伴えば給与も上がるのは当然なので、経営力が低い医療機関では、新卒看護師獲得が難しい状況は今後も続いていくことが予想されます。

転職を希望している人は、給与額面だけでなく、新卒看護師の在籍数や定着率にも注意しながら求人を探すようにしたいですね。

以下のページでは、転職をするときに役立つ転職サイトのメリットやデメリットを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

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