
「耳鼻科のクリニックで働く」と聞くと「楽かな?」と思われるかもしれません。しかし聴力検査から特殊な検査、処置などもあり最初は覚えることが多く、慣れるまでは大変な仕事です。
それだけにスキルアップにもつながり、給料も高めになることが多い耳鼻科ですが、耳鼻科未経験から耳鼻科クリニックに転職する時には次のようなハードルが待ち受けています。
特殊な検査が多い!
耳鼻科に転職すると数種類の聴力検査からレントゲンまでこなすことになるでしょう。
聴力検査は一般的な検査のみではなく、耳鼻科では難聴の症例も多いので、内耳機能検査、語音聴力検査、ティンパノグラムなども必要になってきます。
- 内耳機能検査(ISIS)
- 語音聴力検査
- ティンパノグラム
一定の間隔で音が大きくなったことに気づけるかどうかから内耳機能を調べる検査です。
「あ」や「く」のような日常会話で使われる語音や「2」「5」などのような数字をどれだけ正しく聞き取れるか調べる検査です。感音性難聴の診断に用いられます。
外耳道の入り口に耳栓をして、外耳道の圧力を変えながら、音の聞こえ具合をチェックする検査です。よく子どもの滲出性中耳炎の診断に使われます。
「耳鼻科ならでは」の処置の介助が多くなる!
処置の介助が多いのも耳鼻科の看護師の特徴です。
吸入、鼓膜切開前の麻酔処置、鼻出血時の処置、扁桃切開、気管カニューレ交換、咽頭ファイバーの取り扱いなど多岐に渡ります。鼻出血の処置では電気を用いることもあります。
処置の介助に加えて、ファイバースコープなど器具の洗浄、オートクレーブでの滅菌処理など細かい仕事が耳鼻科で働くと意外と多いことに気づきます。気を抜いてボタンを押し忘れてしまって「実は洗浄できてなかった」場合には、感染のリスクを考えると冷や汗ものですね。
花粉症のシーズンは残業覚悟?
耳鼻科では、花粉症の落ち着く夏はヒマになる傾向があります。しかし、花粉症の多い春や風邪の流行る秋~冬はものすごい患者数で忙殺されそうになってしまうこともしばしばあります。
ほとんどの耳鼻科クリニックでは少数精鋭です。そのため、ヒマな時の倍の数の患者を、医師1人といつもの看護師でさばくので、繁忙期の忙しさは想像を超えるかもしれません。
パートでも繁忙期は残業が必要になったり、休みが取りにくくなることも少なくありません。
採血や点滴がない?はウソ
採血や点滴から離れたいと耳鼻科を検討する看護師の方もいますが、採血や点滴の頻度は内科に比べると少なくはなるものの、ほとんど変わらないと思った方が良いでしょう。
アレルギーの検査で採血することもありますし、突発性難聴、顔面神経麻痺などでステロイド治療する場合には事前に採血します。
めまい、風邪に対する点滴もあり、採血や点滴の頻度はやや高めです。
幼稚園児くらいの子どもの採血を行う機会も多く、小児の押さえも良くあります。器材が小さくキケンなので、安全に診療できるようにしっかりと固定する必要があります。
覚えることが多い耳鼻科はスキルアップにつながる
耳鼻科ならではの処置や検査、新たに必要になる知識も多くあり、内科とはまた違った経験ができるのも確かです。そのため、耳鼻科の経験があれば色々な耳鼻科クリニックや総合病院の耳鼻咽喉科などでも重宝される存在になります。
内科と耳鼻科の両方の経験があれば、もちろんブランク後の復職のハードルも下がりますし、キャリアを広げることにもつながります。新しいスキルを身に付けたい場合には耳鼻科に転職すると今までにない経験を積むことができるでしょう。
運営事務局からの一言!
内科の経験しかなくても耳鼻科に転職する看護師は多い
内科のみの経験でもスキルアップを目指し、耳鼻科に転職する看護師の方も多くいます。最初は覚えることがたくさんあって大変かもしれませんが、慣れてしまえば後々に生きるスキルにもなりますし、高給与を目指すのも可能なのが耳鼻科です。
耳鼻科のクリニックも上であげたハードルをクリアするくらいなら難しくないと感じる方も多いのではないでしょうか?耳鼻科に興味があれば、ぜひチャレンジしてみてください!
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