
『研修充実』の求人が増えている?
最近、看護師の転職・求人サイトの求人の中に、『研修充実』といった言葉を見かけることが多いように感じませんか?
ブランク看護師にとってはとても魅力的な言葉ですし、転職をきっかけに新たなキャリアアップを図ろうと考える人にとっても気になるワードですよね。実際はどんな研修を提供しているのでしょうか。
研修充実が増えたワケ
研修充実を見かける機会が増えた背景は、大きく二つあります。一つは、ブランク看護師の活用対策で、残る一つは、学問としての看護学の体系化によるキャリアパスの活用が一般化してきたことによるものです。
現在、看護師は医療技術者として専門性を急速に高めています。大卒看護師が多くなった現状も、その表れと言えるでしょう。認定看護師・専門看護師制度も浸透しましたから、数あるコメディカル職の中でもリーダーシップを取っていく職域として期待されているのです。
ですが、最新の医療技術も医療機器や技術が年々進歩と向上を続けていく中、「ついていけない」「自信がない」と感じる看護師が増えてきているのも事実です。医師のように学会といった場所で他の職場の医療職者と交流の機会を持つ機会が少ない看護師にとって、職場の研修充実のフォローアップはとても助かります。
ブランク看護師の研修充実の内容
求人に掲載される『研修充実』の多くが、ブランク看護師向けの基礎的な技術研修を指しています。基礎的な技術とは、検温から始まり、血圧測定、採血、検体採取やその管理といった日常業務で必須の内容なので、キャリアが豊富な人からすれば物足りないかもしれません。
ですがブランク看護師は、たとえ10年以上のキャリアがあったとしても、現場を離れる年数が多くなるほど、日常業務に自信を持てなくなるものですし、医療機関によって手順が違うこともありがちなことなので、現場でイチから教えてもらうことができる体制が整っているというのは何かと安心です。
また、基礎的な技術習得の他にも、医療機器メーカー主催の病棟研修会などに積極的なところもあります。点滴ポンプも一年違うだけでボタンの操作から表示パネルの読み方まで、全く異なることがありますし、ついこの間まで全て手作業が必要とされていたケアも、全自動で行うことができるシステムを導入していることもあるので、メーカーの担当者から直接習う機会を持てるのは助かりますよね。
たとえば、二時間ごとの体位交換は特に人員が少ない夜勤時には大変な労力を割く必要がありましたが、除圧ベッドを採用している現場では観察と機器チェックで済むぶん、他のケアに専念することが可能です。ですが正しい扱い方ができなければ、医療事故に繋がってしまいます。/p>
この10年でこういった医療器材はどの現場でも多く取り入れられているので、看護師として再就職を検討されている方は、転職先で研修充実の内容がどこまで自分の業務をフォローアップしてくれるのか、具体的にチェックしておきましょう。
キャリアパスってなに?
クリニカルパスを採用して短期間入院を成功させている医療機関が増えていますが、キャリアパスはクリニカルパスに似ていて、「このルートを取れば、こんな結果が期待できますよ」という目安を順序立てて作成されています。
作成する医療機関によって差異はありますが、細かなところだと、最初は一般的なビジネスマナーから始まっていることもあります。「ほう・れん・そう、がきちんとできる」とか、「電話連絡をすることができる」といったものですね。その先に、基礎的な看護技術が続き、医療機器の操作などはこれらに付随しています。
キャリアパスは新人からのものだと、多くは3年の期間で構成されています。1年目は自律して看護業務を行う技術的な項目が集中しますが、2年目からリーダー業務があり、3年目は教育する立場としての研修項目が続いています。
キャリアパスを導入している医療機関に転職すると、自分がどこから研修を希望すればいいか明瞭に判断することができるので、現職の人が転職するときは見せてもらうと参考になります。
転職時の研修充実のミスマッチを防ぐ
転職しようと思う人は、研修内容が、「基礎的な技術」のことなのか、それとも「リーダー育成のためのものなのか」をよく調べておくのがベターです。リーダー育成のものも、マネジメント能力や倫理的・法的実践を念頭においたものなのか、専門能力の開発を目指すものなのかによって、内容は大きく異なります。結果的に自分が目指すキャリアアップに繋がらないこともありますので、希望する研修内容に沿っているかどうか、事前に相談してみましょう。
基礎的な看護・医療技術の習得を目指す研修体制を取っている医療機関でも、業務終了後のものなのか、就業中に実地として訓練してもらえるものなのかで労働環境に差が出てきます。「たくさん技術が身につくのはいいけど、こんなに残業や休日出勤が多くなると思わなかった!」というミスマッチを防ぐためにも、内容や時間、場所が自分に合っているものかどうか、よく検討しておきたいですね。
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